土地確定測量について
- ishikurotoyama001
- 2024年9月2日
- 読了時間: 3分
しばらく忙しさにかまけて、ブログ更新をさぼっておりました。。。
さて、土地家屋調査士の仕事の一つに、土地の境界確定測量というものがあります。
一般的には不動産売買の際、売主が主体となり境界を確定するパターンが多いと思います。これは、境界確定は土地家屋調査士が精密な測量の元、隣地の方との立会で筆界を明らかにし、争いがない状態で売買に臨むことができるためです。
また、売買の際分筆が必要である場合にも、必ず境界確定が必要となります。
最近は、売買を目的としない境界確定も見受けられるようになりました。
これは、隣接の方との境界トラブルや構造物(塀等)を作りたいという目的でされるパターンです。特に隣接の方との境界トラブルで依頼されるパターンが増えているように思います。
土地の境界確定測量という名前は、あまり聞きなじみがないかもしれません。具体的に何をするのでしょうか?
私たち土地家屋調査士が土地の境界確定測量を受託するとまず資料調査・役所調査という調査業務を開始します。
法務局に備え付けてある地図や地図に準ずる図面(公図)、登記情報や地積測量図、土地改良図面や土地区画整理図面等を収集します。また、以前分筆されている土地であれば、土地台帳や地元が持っている昔の図面等を調査します。
それらを基に、現地に赴き、図面と現地の状況(現況)を確認します。
もちろん、隣接の方々にご挨拶は欠かせません。
その後、測量業務に入ります。
最近の測量機器は精度が素晴らしく、ミリ単位で測量が可能です。
私は一人で測量することが多いため、ワンマン測量器を操りながら、一人でウロウロと測量します。が、測量は二人の方が時短で楽です。
この測量は構造物等を中心に測っていきます。いわゆる「現況測量」というものです。
この測量結果を事務所に持ち帰り、CADで現地を図面化します。
ここからが、土地家屋調査士の楽しくもあり難しいところに突入です。
調査した資料を基に、原始筆界を探っていく作業です。これを「画地調整」と言います。
昔の資料は信頼性の高いものから低いものまで様々で、精度も今よりも低いということもあって、現況とピタッと合うことは非常に少ないのが現実です。依頼者だけ有利に境界を検討するのではなく、全体の整合性を取りつつ、ミリ単位の調整をしていきます。
ということは、依頼地だけを測量しているわけではなく、依頼地の隣接の土地、時には街区全てを測量しているということがわかると思います。
そこまでしないと、大切な資産である土地の境界を明確にすることはできないということです。この作業は相当な時間をかけて行います。時には徹夜になることもあります。
画地調整が終わると、おおよその境界線が明確になってきます。
ここから隣接者と立会が始まります。
立会の難しさはまた次回以降にするとして、隣接全員と立会い、農道・水路等があれば、地元の生産組合長や町内会長と立会い、道路があれば官公庁と立ち会います。
立会いが順調に終われば、再度測量にて境界標を打設して境界が確定します。
おおよそ早くて1ヵ月、長くて半年以上かかる現場もあります。
よって、境界確定が必要な場合は、その期間を見越して計画を立てる必要があるということですね。
皆さんの大切な土地を守ることを使命としていますので、それなりの金額にはなりますが、探偵か?と思えるほど依頼土地について調べ上げ、筆界を探求していくのが我々土地家屋調査士なのです。
つづく
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